水戸備忘録
先日行ってきた水戸のレポです。
JRの普通電車で上野から揺られることと2時間。
水戸駅に到着したのは10時頃だったと思います。
○千波公園周辺
水戸駅から徒歩15分ほどの場所にある千波公園。
その外れに佇むのが茨城県立美術館です。
翌日から空調工事で一次閉館でしたが、運よく常設展だけ見られました。
展示作品自体は良いものが揃っていたように思いました。
ロビーにはロダンの彫刻も鎮座し、エントランスは広大
特大のガラス窓からは公園内が見渡せます。
でも…お客さんが…いない…
翌日から閉館ということで、片付けられたミュージアムショップ跡などが相まって
何とも静かな空間でした。
○市街地に佇む廃墟
公園から市街地に向かって歩いていると異様な雰囲気を放つ建物を発見。
この角度では見えないけれど、窓が開いてるんですね。
なんとか正面に回れないかと路地に入ると、そこは一目でわかる風俗街。
「いい娘いますよ~」と客引きのおじさん・お兄さんが昼間から元気。
そんなお兄さんのうち一人にこのツタアパートについて聞くと
「廃墟探してるんですか?なら、『お城』見て行ったらいいですよ!」
と親切にも教えていただきました。
更に路地を進み、角を曲がると『お城』が眼前にいきなり現れます。
その名も「クイーンシャトー」
1980年にオープン後数か月で潰れたとか、一晩10万円の価格設定だったとか。
様々な噂がある老舗廃墟(そんな言葉があるんですね)らしいです。
(※古いので廃墟通の間ではかなり有名でもあるとか)
(後ろ側もすごい)
直訳シャトー=城ということで「お城」の呼称にも頷けます。
内部の写真はありませんが「クイーンシャトー」で検索すると出てくるのでそちらで。
自分が惹かれたのはその位置関係。
風俗街ゆえに治安面は不安がある一方、距離的には水戸駅から徒歩20分ほど
地価もバカにならないはずです。なぜ買い手がつかないのか。
調べていくと、当該地域を扱うこんなサイトが。
これまで観光地のホテルや物産店、喫茶店が廃墟した例はいくつも見てきましたが、
今後全国的に落ち目の風俗店がラインナップに加わるのかもと、感じる一区画でした。
遠征の本命。(芸術系の人)誰に聞いても評判の良い博物館施設です。
藤森照信展を見てきました。
東北大から東大の建築科修士を出ているアカデミックな教育を受けた方ですが、
かなり独特の、不思議な形状の建物を設計する建築家です。
また路上観察学会の発起者の一人でもあります。
展示が良かったのもあるでしょうけど、客層が県立美術館とは全く違いました。
子ども連れ親子が多数来館しており、中には赤ちゃんを抱いたお母さんも。
ユーモラスな作品が多いことに加えて、
写真OK、椅子には座ってOK、茶室は入ってOKというので
観覧者の方々が非常にいい表情をしていたのが新鮮でした。
こちらの野菜建築なんて一見馬鹿馬鹿しく見えますが、
実際に藤森さんはこの図のバナナのように宙吊りの建築を実践しています。
加えてかつてSFに出てくる近未来都市といえばこんな姿だったことを
ふと思い出させてくれるような、新鮮且つ懐かしい雰囲気を感じました。
こちら水戸芸術館のモニュメントです。
正四面体を重ねた構造をしています。これエレベーターで登れるんです!
最上階の展望室、足摺海底館っぽいけどかなり綺麗。
眼下には水戸の街並みが。
至れり尽くせりの美術館でした。
○まとめ
茨城には「東京のベッドタウンでしょ?」という謎の偏見があったんですが
活気があるのに静かで、良い雰囲気の町でした。
今回紹介したほかにも
水戸黄門を祀る神社
街中に位置する閉鎖された商店街
変な鳥と死んだ魚がいる池(千波湖)
など、行く先々で様々なものが見れて、歩いていて飽きないのが水戸という町でした。
今回買えなかった企画展図録を回収しに行く際、また他の場所を回ろうと思います。